赤ちゃんが生まれて、「帯祝い」「お七夜」などは、省かれる家庭が多く見受けられます。
しかし、お宮参りだけはどの家庭でもしています。
お宮参りは、子供が生まれて初めて神社や仏閣に参拝するという大イベント。
お守りや数珠をいただいて子供の長寿、健康を祈る行事なのです。
お宮参りはいつ行けばいいの?
お宮参りは、以前は「初宮参り」「寺参り」「産明(うぶあ)け」「産土(うぶすな)参り」「産土詣(うぶすなもうで)」「産神詣(うぶがみもうで)」など、さまざまな呼び名がありました。
現在では「お宮参り」と呼ぶのか一般的です。
男児は生後三十日から三十二日目、
女児は生後三十一日から三十三日目に行う
のが通例となっています。
しかし、地方によっては三十日目から百日目までと様々なようです。
お産は、「穢(けが)れ」と考えられ、このお宮参りをもって忌明けとされてきました。
三十日目のころになると産婦の「産(うぶ)の忌(いみ)」が明けることから、この時期にお宮参りをするといわれています。
関東では「おびあき」、九州では「ひあき」、山陰では「しめあげ」と呼ばれたのも、
こうした意味合いからといわれています。
このように、一般に通例となっている日はあるものの、あまりこだわり過ぎずに、
生後一ケ月を目安に、赤ちゃんの機嫌のよい日、天候に恵まれた日、
お母さんの体調やお宮参りへいらっしゃる祖父母の都合などを考慮して日程を決めるとよいでしょう。
お宮参りのやり方を教えて下さい。
本来は父方の祖母が抱いてお参りをします。
しかし、父方の実家か遠かったり、母子が母方の実家に里帰りしたりしていて、
同居している場合には、母方の祖母か抱いても差しつかえありません。
また、両方の実家かが遠方の場合には両親だけでお参りすることもあります。
お参りの方法は、神前でお賽銭を入れて鈴をならし、礼拝祈願するだけでもかまいません。
また、社務所に申し込めば、お祓(はら)い、祝詞(のりと)を行ってくれます。
その場合の謝礼は、社務所の規定通りでよいでしょう。
豆知識
関西ではお宮参りに行く前に、赤ちゃんのお披露目もかねて親戚、ご近所を回ることがあります。
このときに、祝い着の紐(ひも)にご祝儀(御紐銭)を結んであげる地域もあります。
また、お祝いを持ってあいさつに来たときに、用意しておいたでんでん太鼓(だいこ)や犬張子(いぬはりこ)を結んであげることもあります。
どこの神社にお参りするのがよいでしょうか?
最近は、著名な神社か好まれているようです。
しかし、新しい家族を氏神様(その土地の神様)に紹介するのが、お宮参りの本来の姿です。
氏神様が、赤ちゃんをお守りしてくれると信じられていました。
そして、新生児の生存率がとても低かったため、
赤ちゃんが何とか自分の力で生きていけるようになったとき、
氏神様にお参りして氏子(その神様を信仰する人々)となりました。
そうした本来の意味を大切にするとともに、
生後間もない赤ちゃんに負担をかけることのないよう、
地元の神社にお参りするのもよいでしょう。
お宮參りのために祝い着を贈りたいのですが、家紋は両家のどちらを入れるのでしょうか?
正式な赤ちゃんの祝い着は、男児の場合は羽二重(はぶたえ)地の紋付きで、鷹やめでたい図柄などののし目模様、
女児の場合は綸子地(りんずじ)に花柄などをあしらった友禅模様の紋付きが用いられます。
この祝い着は、白羽二重の内着をつけ、母親の実家から贈るのがしきたりといわれます。
家紋の入れ方は、染抜日向(そめぬきひなた)五ツ紋または三ツ紋として、
赤ちゃんの戸籍上の家の家紋が多いようです。
また、最近では祝い着を用いず、外出用のベビー服や真っ白なベビードレスを着せた赤ちゃんを、
ケープやおくるみで包んで抱く、略式のケースも増えています。
いずれの方法でも、わが子の幸福を願う両親の気持ちの表れであるお宮参りは、大切な行事なのです。
付き添い人はどのような服装かよいですか?
赤ちゃんの晴れ着を正式な装いにしたときには、
付き添いの方の服装もそれに合わせることが望ましいでしょう。
祖母……訪問着、色無地(紋付き)、付け下げ。帯は袋帯にします。
洋装の場合はスーツまたはワンピース。
母親……訪問着、色無地(紋付き)、付け下げ。帯は袋帯にします。
洋装の場合はスーツまたはワンピース。
父親……ブラックスーツ、またはダークスーツを着用。
お宮参りのときに親戚などに贈る内祝は、とのような体裁にするのですか?
お宮参りの内祝いで贈る品物は、お赤飯や和菓子がよいでしょう。
その際の体裁は、紅白蝶結びで、表書きは「お宮参り内祝」か、「内祝」と書きます。
熨斗下は、赤ちゃんの名前とします。
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