起業を目指す貴方に捧げる言葉が「ハートワーク」です。

ビジネス・マーケティング

目先で物を見ず俯瞰してみよう!

社長わらし(自称)は、大学を卒業して就職した先は金融機関。

金融機関といっても都市銀行ではなく地方の信用金庫だった。

そのことが、今考えるとツイていた。

仮に大銀行だったとしたら、機械の一部品になっていただろう。

小さな金融機関であったからこそ、否が応でも、若くして全体の仕事をすることが出来た。

俯瞰(ふかん)という言葉がある。

高いところから見下ろし眺めるという意味だ。

知らずのうちに、俯瞰的な視野が出来上がっていた。

まず配属になったのが、本店秘書課勤務。

本店秘書課勤務というと聞こえはいいが、仕事は理事長の運転手。

だから、理事長と接する時間が必然的に長くなる。

運転だけなら楽でいいね。

とんでもない。

ボーと運転していたら、後ろからげんこつが飛んでくる。

もちろん偉い人を乗せているのだから、緊張している。

「今、田んぼの稲が青いのに刈り取りをしていたな?」

「え?そうでしたか?」

そのとたん

「あなたは、何を見て運転をしてるんですか!」と

怒りのげんこつが飛んでくる。

「バンカーたるもの、四方八方目を向けて観察眼をもって運転しなさい!」

「それでは教えてやろう。早く稲を刈るのを青田刈りという。

それは、意味があって刈り取りをしているんだ。

たとえば、あの田圃を売りに出すとか、家を建てるとか」

「もっと問題意識をもって、運転しなさい!」

「はい!わかりました!」

一事が万事こんな状況で教育、教育、教育の日々。

土曜日は、理事長の自宅へ泊りにいかなければならない。

そこでまた教育を受ける。

早く営業店勤務になりたいな。

早く、理事長から逃れたい。

ハードワークのドの点々を取って!

そんなことを思いながら1年後、晴れての営業店勤務となる。

本店秘書課を出ていくとき、

その理事長からのアドバイス。

「営業店に出たらな、ハードワークの点々をとって仕事をしなさいよ」

「???」

意味が分からない。

「どういうことでしょうか?」

「ハードのドの点々を取ったら、なんという字になる?」

「???、点々を取ったら‥ハート」

「ハートワーク」ですね。

「そうだ、ハートワーク!」

「だからお客様とは、取引ではなくお付き合いをするのだ。

わかったな!その気持ちで仕事をすれば自然と数字も付いてくる」

それともう一つ。

「お客様との人間関係つくりは、何時間、接触したかではなく、何回接触したかできまる。

お願いします、お願いします、の乞食営業はしなさんな!」

「このことをあなたに伝えておく。」

「お客様という魚は、まっすぐの針で釣ってくるもんじゃ!」

またまた「???」

「どういうことでしょうか?」

「お願いするというのは、針が曲がっておる。

うちの方が安いですよ!便利ですよ!一緒に飲みに行きましょうか!

という損得営業も針が曲がっている」

「お客様と懇意になるなんて簡単なこと。

まずは、言葉を崩す、

一緒に食べに行く、

一緒に飲みに行く。

そうすれば、心安くなれる。

しかしな、これを下衆(げす)の営業というんだ。」

「本物の営業をしなければ一流にはなれない」

「それでは、どうすればよいのでしょうか?」

「要するに、あなたの魅力で魚を釣って来いということじゃ」

この理事長と話をしていると、いつもこのような禅問答のような話になる。

「だから、まずは、笑顔。親切。つまりハートワーク。

そして、自分の教養をもっと、もっとつけなさい!ということ」

「一つ質問ですがよろしいでしょうか。

理事長はどうして何でもよくご存じなんですか?」

「それは、簡単なことじゃ!」

「教養は、中学までの教科書つまり、地理、歴史、美術、音楽を頭に入れること。

そうすれば、世間ではあの人は教養があると言ってくれる。

社会で使えないような勉強は、クソの役にもたたん!」

「いつも教えている通り、文化、芸術のない企業は、すべて潰れていく。

企業は、続くということに意味がある。

この一年間あなたに、絵画、音楽、お茶などを教えてきたのはそのためじゃ!

わかったな!」

こんな環境で、社長わらしは勉強させてもらいました。

だから、起業を目指すあなたに知ってほしいこと。

それが「ハードワークではなく、ハートワーク」です。

その延長線上に一流があります。

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