宅配会社より突然宅配料の値上げ通知が届く。
中元明けの8月。
宅配会社より突然宅配料の値上げ通知が届く。
提示されていたのは、今までの料金の2.5倍の値段。
まるで喧嘩を売られているような価格。
ドライバーは申し訳なさそうに平身低頭。
「これを受けなければ、取引をやめてもいいってことかな?」
思い返せば「中元・歳暮全国無料宅配」をギフト業界において、いち早く開始したのはシャディだった。
あれから24年。
少しでも安く商品提供をしたいと宅配業者さんを叩いてきたのは我々でした。
そのひずみが「宅配危機」として出現してしまったのです。
宅配は今や、社会インフラとして定着しました。
今日発送すれば翌日にはほとんどの場所に届きます。
考えてみてください。
家まで届けてもらってこんなに便利なのに、ドライバーは1個配達して100円~150円。
1度で済むならまだしも、訪問しても留守。
犬にほえられ、不在票を入れても返事がない。
そこで働く人たちが、はたして今のままでいいのか。
そう考えたときに宅配料の値上げを受けざるを得ませんでした。
今回提示された2.5倍の宅配料が適正な価格なのだと思います。
そんな状況で、324円だけお客様にご負担願いたいと始めた今回のお歳暮。
お客様に怒られるのではなかろうかと恐る恐るのお歳暮商戦。
ふたを開けてみると、「そりゃ仕方ないわね!」と理解をしていただけるお客様が多いのには驚きです。
社長わらし、いいお客様に恵まれています。
物流業界の人手不足が危機的状況です
それにしても、物流業界の人手不足が危機的状況です。
そもそものきっかけは、バブル崩壊後に始まったトラック輸送業の規制緩和でした。
規制緩和の影響で運送会社の数は1.5倍になったようです。
その一方でバブルの崩壊で輸送量が激減。
と同時に運賃が自由化され、仕事の欲しい運送会社に値引き競争が勃発。
必然、ドライバーの給料も安くなり、仕事のきつい運送業界は敬遠され、人手不足におちいりました。
にもかかわらず、ネット販売の普及により荷物が増加。
儲けが薄いにもかかわらず運送会社の需要は高まるばかり。
もうこれ以上、従来の運賃では持たない。
経済や生活を底辺で下支えしている物流は、もう少し正当な評価を受けていいのではないか、そう感じていたところヤマト運輸が値上げ。
それをきっかけに、物流の適正な対価を見直す流れが、去年あたりから生まれ始める。
日本では、昔からソバ屋の出前はタダ、水と物流はタダだというふうに刷り込まれている。
象徴的なのは「送料無料」という言葉。
ネット販売で、かさばる水や書籍など荷物が増え、同時に再配達も増える。
朝9時から10時は業者間でマンションの宅配ボックスの争奪戦だ。
そんな状況を見るにつけ、まだまだ宅配価格は上がりそうです。