71歳の男性(お客様)が感動の涙を流したその訳は?

サラダ館記念日

大きくてカラフルな花を咲かせるチューリップ。

桜とともに陽気な春の色を感じさせる日本人好みのポピュラーな花です。

プレゼントやガーデニングに大人気のチューリップ。

しかし、色によって花言葉が変わることはご存知でしょうか?

チューリップの代表的な花言葉は「思いやり」。

不思議な感覚に吸い込まれる「真っ白なチューリップ」。

白色のチューリップの花言葉は、「失われた愛」「思い出の恋」「思いやり」などです。

全体的にネガティブな印象を受ける花言葉が多いのです。

そんな白いチューリップですが、

なんと71歳の男性(お客様)が感動の涙を流しました。

その訳は?

以下をお読みください。

第1回シャディ「贈りものがたり」最優秀賞作品

第1回シャディ「贈りものがたり」
最優秀賞作品「白いチューリップ」
北海道:中川美由紀 様

去年の夏の話。

町中の小さな花屋さんでのこと。
私はお墓に供えるための仏花を選んでいました。
店員は女の人1人だけ。

すると、可愛いお客さんが、2人入ってきました。
小さな女の子とその手を引いた男の子。

たぶん兄妹だったのでしょう。
男の子はポケットから小さくたたんだ千円を取り出し
「これでお花作ってください」と言いました。

店員さんが「誰かにプレゼント?」と聞くと
「お母さんに」とちょっと恥ずかしそうに答えました。

店員さんはまたたずねました。
「どんなお花が好きかな?」
2人は少しの間考えていたようですが、
今度は女の子が答えました。

「チューリップ」

店員さんはうんうんとうなずくと、
赤とピンクのチューリップを何本か手に取りました。

すると、男の子がその手をつかんで
「だめだよ。」と止めるのです。
何だろうと思って見ていると、男の子は、こう言ったのです。

「死んじゃったから白い花なんだ。」

私も店員さんもしばらくだまっていました。
2人はどう見ても、小学1年生か、幼稚園といった感じ。

赤いチューリップをにぎりしめていた
店員さんはまたうんうんとうなずくと、
今度は白いチューリップを取り出しました。

それも、店にあった大きな花びんに入ってる
20本近いチューリップを全部取り出したのです。

テーブルの上で丁ねいにラップをし、
大きな真っ白のリボンをかけてあげ2人に手渡しました。
100円ずつのおつりと一緒に。

男の子はビックリしたようなうれしいような顔で
店員さんを見上げましたが、
店員さんは、2人に何も聞かなかったし、何も言わなかった。

でもあの大きな花束に、優しい気持ちが
ぎっしり詰まっているようでした。


不思議そうな顔で、でもしっかりと
「ありがとう」と言った男の子。

お店を出ていく女の子の小さな肩と、
体からはみ出るくらいの花束に
思わず涙ぐみました。

そして何より、あんな自然に、
温かい贈り物をしてあげられる店員さんに感動しました。

 

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